「ちょっと、お前ら何勝手に決めてんだよ」
リュウがハヤトとあたしを交互に見る。
目を点にするあたしたちにリュウはため息をつく。
「俺んちはダメだ。特にハルカはよけ-だめだ」
「え、なんでだよ」
「そう、なんでよ-あたし、困ってんだけど?」
ハヤトは頭をぼりぼりかいて「何でもだ」と言った。
「んでも、ナミちゃんバイトしてたじゃんね」
そうハヤトが言うとリュウはばつが悪そうな顔をする。
ナミもリュウの家でバイトしてたんだ。。。
最近のあたしはおかしい。
変わるってこういうことなんだろか、
リュウの話題の中にナミが出てくるともやもやしたように
心が晴れなくなる・・・。
これって、妬いてるみたいじゃんね。
んな訳ないのに、それでもナミよりもリュウに近い女の子になりたい。
「おい、ハルカ。」
不意に呼びかけられてドッキとした心臓と裏腹な素っ頓狂な声をだす。
「明日、明日から働けるように俺から頼んどくよ」
そう、リュウはつぶやいて
定位置のベンチに寝っころがった。
「ありがと。。。」
あたしの声が聞こえてんのか聞こえないのかわからないけど
ハヤトの「よかったね」
という声にあたしのほほの温度が少し上がったのが分かった。