「お前、女じゃなかったのかよ」
本当ならば授業中だけど
あたしはリュウとハヤトと屋上にいた。
授業が存在しないから、クラスにいてもここにいても
変わらないのが現実。
「んでもさ、お金足りないなら・・・バイトすればいいじゃん」
ハヤトはあたしをみながら言う。
さっき、あたしは2人に悩み相談をしてた。
まったく、リュウは失礼なことを言ってくる奴だ。
そんなリュウはスルーして。
「バイトって言ってもなかなかいいのがないんだよね」
そうあたしが苦笑いをして言うとハヤトは何か
思いうついたような顔であたしを見た。
「リュウん家でバイトすればいいじゃん!」
「は?」
あたしが言う前にリュウの声が先に聞こえた。
「俺の家だぁ?」
「そうだよ」
戸惑うリュウとニコニコなハヤト。
「ハルカちゃん。よく聞くんだ」
得意げな顔をするハヤトをあたしは見つめた。
「リュウの家はさ、飲食店なんだよ。」
「うん」
「ラーメン屋」
「へぇ」
「今、アルバイト探してるっておじさんが言ってたんだよ」
「うん」
「だから、ハルカちゃんちょうどいいじゃんね」
「・・・あぁーそういうこと!」
あたしは納得をしてハヤトを見た。
ハヤトはニコニコしている。