あたしはケンカを自分のためにしてきた訳じゃない。
守るためだ。
お母さんを、妹を、
あたしの父親は何かあるとすぐにお母さんを殴っていた。
あたしは最初、見て見ぬふりをしてた。
お母さんがそうしてほしいと言ってきたからだった。
だけど、父親は妹にまで暴力をふるうようになった。
見て見ぬふりなんかできなかった。
あたししか家族は守れない。
そう思ってあたしは必死に2人を守った。
今、父親は精神病院にいる。
もう一生、出てこられないと先生がいっていた。
お母さんと妹はどこか静かなところで生活をしている。
毎日、あたしを心配してくれるお母さん。
「一緒に住もう」
と何度言われたことか。
あたしは全部誘いを断った。
ごめん・・・お母さん。
あたしはもう一緒には暮らせないよ。
いつの間にか、気が付くと
あたしはケンカばかりしていた。
不安を隠すため。
一人ぼっちってなかなか寂しい。
あたしは一人を紛らわすために友達と遊んで
寂しさを隠すためにケンカをしてきた。