あたし、早川 ハルカ
高校2年生 女
昨日、M高校に転入した。
そして、人生で2回目の『負け』を味わった。
ケンカで負けたことはなかった。
それがあたしの強みと不安だった。
『負けなしハルカ』
あたしについたあだ名・・・肩書きみたいなもの。
この肩書きがあたしを不安にさせる。
いつも、いつも、いつも、
この肩書きがあるせいであたしには敵しかいなかった。
本当の友達、本当に好きな人
そんな人はいなかった。
この地位目当てであたしに近づく人たち。
色眼鏡であたしを見ないでほしかった。
「ハルカは本当はケンカなんかしたくないよ」
何年か前にあたしを初めて愛してくれた人に言った。
この人はあたしのコトを対等に見てくれると思った。
だけど、違った。
「何言ってんだよ。お前のいいところはケンカが
強ぇところだろ」
一瞬で、愛とかなくなった。