「早川は・・・」
「ハルカっていってよ」
俺が言いかけた時、早川は・・・ハルカはそう言った。
俺はうなずくと、
「ハルカはどうしてここに来た」
俺の疑問にハルカは笑った。
「内緒だよ」
その笑顔に何にも言えなかった。
また懐かしいと感じた。
もしかしたらこの女に俺は一回・・・
「あたし、このまま帰るね」
ハルカはそういって保健室から出て行こうとした。
「あのさ、」
俺が呼び止めると
ハルカは俺を見た。
さっき、ハヤトをにらんでたのとは違う。
俺がそう感じてるだけなのかもしれないけど。
「ハヤトいいやつだから、アドレス教えてあげてよ」
俺がそういうとハルカは笑った。
「あの男の子ね。ちょっと龍の携帯貸して」
そう俺に言った。
俺はポケットに手を突っ込んで携帯を差し出す
「はい」
しばらくすると俺の携帯をハルカは差し出す。
「リュウの携帯にあたしのドレス入れといたから
ハヤトって子にも渡してあげて」
そういって保健室を出て行った。
「また、明日」
俺がそういうとハルカは手を振っていった。
淡い淡い・・・何かが俺の中に芽生えた。
時々ふっと悲しさがこみ上げるような気持ちが。
初めての感覚に俺はこの時まだ
気付けずにいた。