気が付くと、俺の前で倒れている女がいた。
ギャラリーから歓声が聞こえる。
「やっぱ。リュウは強ぇな」
ハヤトが俺に駆け寄った。
体を動かそうとするとひどく傷む。
なんて女だ。
俺の体をここまでぼろぼろにするとは。
尋常じゃねぇ。
「おぃ、大丈夫かよ」
俺は倒れている女に手を伸ばした。
「同情はいらないよ」
女は悲しく笑った。
「同情じゃねぇよ」
俺はそういって早川の手を引いて起こした。
「何すんだよ」
早川はこんな体になっても強がっている。
「保健室行くんだよ」
俺はそういって早川の手を引いて保健室まで向かった。
廊下には下級生・上級生かかわりなく。
たくさんの人がいた。
そいつらの視線を浴びながら俺らは保健室まで来た。
ドアを開けると誰もいなかった。
「座れよ」
俺は早川を椅子に座らせた。