「…怖がらないで。」 透き通った優しい声と共に、まだ幼い顔がひょこっと顔を出す。 くりくりとした黒目がちな可愛い少年だった。 「……!」 怖がるなと言われても、少年の姿を見た私は、怖がらずにはいられない。 「…きゅ、吸血鬼っ…!」 少年の姿は紛れもなく、人間の血を吸うあの吸血鬼の姿だった。