虎太郎の隣に居た女は修羅場と化したその光景に、ひぃ!!と悲鳴を上げてそそくさと去って行った。



残された虎太郎は訳の判らない表情をしている。



「なんで…俺殴られたワケ!?」



「そんなのも判らないの!?だからリサが怒るんじゃない!!」



忍の剣幕に虎太郎はどんどん萎れていく。



「だいたい、追い出されたクセに女と楽しそうに飲んでるなんてどうかしてるわよ!?」



「はい…」



「リサがこんな場面見たら泣くわよ!反省しなさい!!」



「…はい…ごめんなさい…」



どんどん小さくなっていく虎太郎を見て、右京はちょっと気の毒になって来た。



これ以上忍の猛攻を受けたら虎太郎は見えないくらい小さくなってしまう。



「あの…忍?…虎太郎、反省してるみたいだしさ…もういいんじゃね?」



「甘いわよ!…右京、まさか“それくらいで”とか思ってないわよね?」



何故かこっちに飛び火して右京まで直立不動になる。