殴り合う奴等の首根っこをヒョイと掴み上げたその男は、入口の扉を開けて一人…また一人とポイポイと外に投げ飛ばした。



「………」



そして、男は涼しい顔をして銀髪を掻き上げるとシレッとこっちに向かって来た。



「…相変わらずだな…」



「よぅ。…なんだ、人手不足か?」



「ジンヤがコケてな…黒崎、ちょっと手伝え!」



「今日は無理。忍と待ち合わせだし、それに…」



そこまで言うと右京は入口を振り返った。



「…それに、久しぶりに“犬”が帰って来たから。」



ゴウは右京の視線を追うと、そこには色素の薄いブラウンの髪をした青年。



「あれって…虎太郎じゃねぇか!?」



「ん。途中で拾った。」



「やだな~右京。拾ったなんてまるで犬じゃないんだから~!“運命的な再会”って言ってよ~」



そう言いながら肩に腕を回して来る虎太郎を、右京はウザそう睨んで溜め息を着いた。