スサノオが末永を蹴った。
「フスミ。
いつまでも、寝てるんだ。
力を貸せ」
末永の体は動かなかったが、憑き神が体から離れるのが見えた。
『こいつはやられ過ぎてダメだ。
俺がそいつの中に入ってやるから、サタンをやってくれ』
フスミ神がスサノオの口から入っていった。
スサノオの体が一回り大きくなった。
スサノオがサタンに飛びかかった。
サタンが払いのけようとした。
スサノオはその手を避けながら、顔に蹴りを入れた。
サタンが倒れた。
スサノオは空中に高く飛ぶと腹を蹴り飛ばした。
それを何回も繰り返した。
サタンの口から、先ほど飲み込まれた堕天使がボロボロ出てきた。
最後にリリスも出てきた。
スサノオはサタンに馬乗りになって、殴った。
サタンに反撃する力は無くなっていた。
スサノオが田母神を見て言った。
「早く封印しろ」
田母神は壺の口をサタンに向けた。
サタンが口に吸い込まれていった。
サタンは最後の力でスサノオの胴にしがみついた。
スサノオはその手を剥がそうとしたが、離れなかった。
田母神が叫んだ。
「まだか!」
スサノオは手代木から離れた。
サタンとスサノオは壺の中に吸い込まれた。
田母神が壺に蓋をして、封印した。
サタンが抜けた兵部卿は官憲に捕まった。
堕天使に取り憑かれていた兵士達も正気を取り戻した。
手代木と末永は怪我が酷く病院に運ばれていった。
田母神は壺を触りながら玲子に言った。
「サタンは封印した。
西洋との無益な戦いは避けられるな」