「人ヲ消スノハ、咎ガ深イ。ソノ理由ハ、タッタ一人ノ存在ヲ消シタダケデ、トンデモネエ影響ガ出ルカラダ」


わたしは何も考えず消しまくった。消して消して、消し続けた。

しかしそれは、「その人と繋がっている物や、人の消滅」も意味していた。

テレビがつかなくなったのも、電話が通じなくなったのも、水が出なくなったのも。

わたしが消した人たちの中に、それらの会社に影響を及ぼす人たちがいて、たとえば、水道会社にトラブルが発生して、水の供給ができなくなって。

まさかあれを消したから、これが消えるなんて。

まさかあの人を消したから、この人が消えるなんて。

わたしは、ほんとうに、この町を消してしまう……?

「辻褄アワセが、コノ町ニトドマルトデモ、思ッテイルノカ?」

「……!」

残酷な真実の暴露。もう聞きたくないのに。もう十分なのに。

「お前ノ昔イタ都会ノ町モ、消エ始メテイルゼ」

……うそだ。