「ったく、学校にも行かず、遊び呆けやがって!これだから、今の若い奴はよ!」

……、

え?

今、なんて言ったの、この人?

「今の若い人」?

わたしを一括りにした? 小さくした?

わたしを、他の凡弱な連中と一緒にした?

ねえ。

わたしを誰だと思っているの?


わたしを、誰だと、思って、いるの?


「なに睨んでんだよ!どけよ、クソガキ!」

なんか凄んでみせているけど。大きな声を出してはいるけど。

全然怖くない。

あなたなんて、今のわたしにとって、「無い」のと同じなんだよ?

あなたみたいな、生きている価値の無い、ゴミみたいな奴が、なにを、偉そうに。


グチャグチャグチャグチャグチャグチャ。


いろんな感情が、音をたてて、かき混ぜられていく。

頭が真っ白になっていく。

心は真っ黒になっていく。

もう何も解らない。分からない。判らない。

考えられない。考えたくない。……考える必要が無い?

「除消、これ、消しちゃって」

それは、あまりにも簡単に、あまりにも自然に、わたしの口から、するりと出てきた言葉。

そして。


ごしごしごし。ごしごしごし。