「あの、そもそも、本当に神様、なの?見た目、悪魔にしか……」

言い終わらないうちに、除消の真っ赤な目玉がグリッ、と動いた。

不気味だと思う反面、何故かユーモラスにも見える。

たぶん、目が顔の中心に、寄り過ぎているからだと思うけど。

「何ダト、テメエ!モウ一遍言ッテミロ、コラ!」

「あの、そもそも、本当に神様、なの?見た目、悪魔にしか……」

「真面目ニモウ一遍言ッテンジャネエヨ!」

小さな、白むくじゃらの自称神様が、わたしにからかわれて、長い両腕をブンブン振り回し、憤慨している。

その姿はやっぱりユーモラスで。

わたしはつい、笑ってしまった。

クスクス笑うわたしを見て、除消の機嫌はどんどん悪くなっていく。

「ホラ、コレ!輪ッカ!見エンダロ?」

頭の上に浮かんでいる金色の輪っかを指差し、力強く訴えてくる除消。

「ソレニホラ、背中ニモ、羽ガ!生エテンダロ?」

くるりと振り返り、ささやかな白い羽を見せてくる除消。

確かに、金の輪っかと白い羽とくれば、天使や神様をイメージしても不思議ではない。

だが、見た目が「これ」なだけに、どうしても信じられない。

「ドイツモコイツモ、ミテクレデ判断シヤガッテ。大事ナノハ中身ジャネエノカ、アァ?」

どうやら除消にとって、見た目の話題はタブーらしい。

わたしは話を戻すことにした。