「…なにやってんだよ。」

その子は痴漢されていた。

犯人の腕を俺が掴んで、犯人は相当びっくりした様子だった。

その子はまだ俺の制服を掴んだままだった。

乗客たちが騒ぎ始めて、車掌が出てきた。


全て終わった後、その子は、

「あ、あの、ありがとうございました!」

ちょっと正義の味方気分。

「あ、いや…」

当たり前のことをしたまでです。

そして明空学園の最寄駅まで到着した(といってもあまり近くない。)。

なんだかんだあったけど、ほんとにギリギリの時間で到着した。

あの子が猛スピードで俺の前を過ぎていった。

新入生はやっぱり遅刻は厳禁なのか?

すると、

「あの!」

あの子の声だ。