★ 響 ★


「あっ、お疲れ様ですっ。あの鍵を返しに来ましたっ」



俺にとってはイキナリで気持ちの準備なんかは出来る訳もなく…


部室には俺一人、部日記を書いていた。



「あ、ありがとう、今日は初日で疲れたよね。まだたくさん覚えてもらう事あるから。」



自分でも分かる。話す口調が違う。



この子には、普段の俺でいられない。



「はっ、はいっっ!」


「あ、学校にはもう慣れた?」


「はっ、はい」


「あれ?もう一人の友達は?帰っちゃったかな?」


「はっ、はい」


「ぷーっ!さっきから"はい"ばっかなんだけどっ!」


「はっ、はいっ、あっごめんなさいっ」




二人で目を合わせて笑った。


やっと彼女と目が合った…



笑った目がすごく自然で素直に可愛いと思った…



もっとたくさん話をしたいと思った…