★ 響 ★



冬休みの部活での日々も一日一日マネージャー沙来との時間を大事に思う。


こんな応援してくれてる姿は一年見られないし、戻ってきても部活出来る訳でもないし。


こうして部室で沙来を待つ事も…


前以上に小さなささいな事さえも嬉しかったり幸せに感じられた。



「はぁ〜、やっぱ外は寒いな!ほら!」


小さくて冷たい沙来の手を自分のポケットに入れる。


冷たい二つの手が少しずつ温かくなる。


気持ちも幸せであったかくなった気がした…



「響…?クリスマスどうする?あのさ、よかったら私の家でどうかな?」


「えっ、マジで?」


「あのさ、お母さんがみんなで楽しくしよって…なんか一人ではしゃいじゃって…」


「いいの?行くよ!ん?どした?」


「あ…うん、分かった…」



なんだか声が寂しそうに聞こえる…どした?


「…沙来?」



「だって…初めてのクリスマスは…二人だけて過ごしたかったな…って」



「クスッ…沙来…」



チュッ!



「クリスマスイブは二人きりでしよ!なっ!」



こんなちょっと拗ねる沙来も可愛くて愛しく思う。



沙来の表情やしぐさ一つ一つに反応する俺は、沙来の存在が全てみたいに思えてくる…





初めての二人のクリスマスイブ。



プレゼントは何がいいか…



悠斗に聞いてみるか…