★沙来★

「えっっー!やばっっ!!遅刻するっっ!!」
目覚まし時計は起きるはずだった時刻を過ぎている。


「お母さんー!なんで起こしてくれなかったのっー??」


慌てて階段を降りて、朝食もとらずに私は靴を履いて走りだす。



こんな朝だけど、とても気持ちがいい天気。
風も穏やかでまるで頬を撫でられているかのよう。


でもそんなことも感じられないくらい急いでいた私。


適当にセットした髪も全力で走ったせいで、すでに乱れてる。


徒歩15分で着く高校は私の全速力で7分だった。

入学翌日に遅刻なんて有り得ない。
ポケットからケータイを出してメールのチェック。



「あっ!友香からだ」

『沙来ー?どしたぁ?寝坊??』