★ 沙来 ★



ん??

ケータイ鳴ってる…


響っ??



「もっ、もしもしっ?」

「おう、沙来。元気?今さ家の前まで来てさ…」

「えぇー!ちょ、ちょっと待ってて!」



なんで?

急にどぉしたんだろ…

あ、私こんなスウェットだしっ!

ま、いっか!



バタバター!!



慌てて階段降りて玄関飛び出した。



「響っっ、どうしたの?」



ハァハァ…この短い距離を必死で走った…



「おう、沙来!傷はどう?」

「あ、うん。少し良くなってかなぁ…ひびっ、き……!」



ドキン…



聞く前に抱きしめられた…


ちょっと強引だけどあったかくて広くて大きい胸に…



好きなの、この胸もこの腕も…

安心するんだぁ…

響の気持ちが伝わるんだぁ…

ずっと毎日こうしていたい…



「沙来と毎日こうしてたい…俺…一日ないと無理だわ…」



ギュッとまた抱きしめられた…


響の大きな体に回した手が届かないけど、私も強くギュッとした…



「響…こんなに大好き…私も…」


「沙来…」



響が私の顔を見ようと首を傾けて…



「キスしていい?」



頷く瞬間、



「あらー、響クンじゃない!家入りなさいよ!」



はぁ??

お母さん!!

もぉ、いいところだったのに!



響も素直に「はい」とか言ってすんなり入っちゃって…



ま、いっか!



とりあえず、私の部屋へ案内した。



突然だったから、綺麗な部屋じゃない事は確かだった…