★ 沙来 ★




「…う…っん…」


目を開けると覚えのないような景色があって

でも嫌な感じじゃなく…


ん??ここは確か…


響の部屋…?




「…っ沙来っ…!」




手があったかい。

大きな優しい手。

私の手を包み込んでくれている。



「…響……、わた…し…」



少しぼやけてた状態からはっきり響の顔が見える。


響の顔は今まで見た事のないような悲しい顔…

どうして…??


起き上がろうと体を動かした時、


「っっつー……」


「沙来、起きなくていい…そのまま…」


痛みがする方へ目をやると、ぐるぐると包帯が巻かれてた…



何時間たったのか。

どのくらい前だったのか。



私は


響の辛そうな顔を見つめながら、思い出した…