★ 響 ★


夏休みも残り僅かとなり、練習もみんな暑い中よく頑張ってきてくれたと思う。

練習も休みもずっと沙来と一緒に過ごせて、比べようがないくらい幸せだった…


最後の休みは何をするかな?


何だっていい…

隣に沙来さえ居てくれたら…


そんな事をまた考えながら部日記を書いてた。




トントン。

「響〜、いる〜?」

「またお前、何だよいきなり…」

「最後の休み、私に付き合ってよ!」


そう言って矢崎が入ってきた。


「はぁ?なんで俺が??何の用だよ!」


「秘密ー、まだ教えない!」


「行かねぇ、絶対!意味分からねぇ。だいだい…」


「またあの子呼び出すよ!私と響の事言うから!」


「いいよ、俺と沙来そんなんじゃ別れないし……でも沙来にまた手を出したらお前分かってるだろうな!!女でも容赦しねぇぞっ!!」


矢崎相手に大声出して怒鳴る俺。

沙来の事になると男も女も関係ねぇ。


矢崎は少し黙り…


「…響、お願いだよ。一日、半日…一時間でもいいから…お願い!」


「だから〜無理だし、何だよ…何かあったのか?」



「…っっー……」



静かに泣き出す矢崎。

なんだよ、泣き顔なんて初めて見るから…


「…なんだよ、おい…」


何も言わない…


「お願い…だから……お願い」




断れなかった…一時間だけという約束で。