★ 沙来 ★



バカ…響のバカ!


「…っゔ……っっ」


私は唇に手を押さえて涙した…

私は走り出して体育館裏に座り込んだ…


声を出したら誰かに見つかるかもしれないし、


響にも…



でも気持ちのどこかで追いかけて見つけて欲しいと思った…




悔しかった…

これは悔しい涙…


響と話をしていた事、
部室に二人きりでいた事
腕を組んでた事


それはそれで嫌だしヤキモチだけどそれ以上に、


私の全然知らない響を話されるのが1番嫌だったんだ…




しかも私を引っ張たいたあの綺麗な彼女の口から……


彼女だ…間違いない…


悔しい…響の隣で勝ち誇った目で私を見てた。


『響は渡さない』って。




「…っっ…うっ…ふっ…ぇぇん…」



「…ひびきぃ〜、やだぁぁ……」




突然、フワッと背後から私の体は大きな体に包み込まれた……