★ 響 ★



俺は自分の中に今までにない衝動が体中を走った。


隣にいる沙来に気付かれないように必死に隠して抑えながら聞いてた…



屋上にいたあいつら…



後輩の高田にも…



俺が助けてやりたかった…

すぐに飛んであいつらをぶん殴って沙来を抱きしめてやりたかった…


何も出来なかった自分が惨めだ…



高田はいつから沙来を想ってたんだ…


沙来を助けた高田…


その姿を見る沙来…




考えただけで悔しくて胸が苦しい…



沙来のすべては俺だけ…


他の男なんか見て欲しくない…


目に映る姿は男は俺だけ…



こんなカッコ悪ぃ俺だけど、沙来を誰にも譲らねぇ…




強く、強くそう思った…




「高田なんかに絶対、渡さない……」





そう言ってヤキモチ焼きの俺は沙来の肩をグイッと寄せて強引なキスをしたーー………