「……沙来ーっっ!」



声が聞こえる…大好きな人の…



聞きたかった人の声…


会いたかった人の声…


1番誰よりも愛しい人の声…





響が駆け寄ってくる…



近付いてきてるのに何故かどんどんぼやけてくる…



もう溢れ出してる涙が頬を通って床へと連続して落ちる…




ギュッッ!!!



「沙来っっ!」



「…ひびきぃ〜」

ごめんなさいぃ〜、いっぱい心配かけて…本当に…

ごめんなさっ…」



最初よりもっと強く抱きしめられた…



「沙来っ、いいから…謝らなくて…いいよ…」



力強い腕とは逆に響の声はすごく優しかった…



響の声は私より細くて耳の側じゃなかったら消えそうなくらいだった…




私の耳は響の頬から流れてきたものを感じて髪をも濡らしてた…