「良かった…」 「え…」 カフェを出てからの帰り道。 ちょうど人通りの少ない道に入ると、隣を歩く和弥がぽつりと呟いた。 「俺…もう凛と話せないのかと思った」 「…え」 「なんかさ…凛に避けられてる感じがしてたから……」 「………」 和弥の言葉にドクンと心臓が脈を打った。 いつの間にか私に向き直っていた和弥――― そのまっすぐな視線を感じながら、私は和弥を直視することができなかった。