「凛~?ちょっとお願い~」
「なーにー?」
「お醤油切らしちゃって…お願いっ!買って来て!」
「ああ、はいはーい。自転車借りるねーっ」
お母さんからお金を受け取って、財布片手に家を出た。
ゆっくりと自転車を漕いで到着したのは、いつもお母さんがパートをしているスーパー。
「あら、村上さんとこの…?」
「あ…こんばんは」
レジに並ぶと、お母さんのパート仲間のおばさんが私に気づく。
「凛ちゃんの様子が違うって心配してたわよー?」
「え、お母さんが?」
「そうよー。でも何だか元気そうね。安心したわ~」
「はは、大丈夫です。私なら」