翌日。


顔をパチンと叩いて気を引き締めた私は、何事もなかったように家を出た。


いつもの校門を通って、私は教室までたどり着いた。




「……夏帆。…なんで私の席に座ってんの?」


「凛を待ってたの。ちゃんと来るか心配だったし」


「ちゃーんと来ました。ほいっ、そこどいたどいたー」


「…厄介者か私は」




拗ねながら席をたったと思ったら、夏帆は私をじーっと見つめてきた。


その視線に気付きながらも、私は淡々と教科書を机にしまっていく。




「……凜…なんか…」


「ん?何?」


「…や…。やっぱいいや」