「でも……私も、南武高校が良かったなー…」 「え?」 「だって、和弥君と一緒にいれるじゃない?」 にこっと綺麗に笑った菫さん。 足が、震えた。 スカートを掴む手に、力が入る。 ドクンドクンと心臓が脈を打つ中、私は口を開いた――― 「あのっ」 「ん?」 「菫さんは……和弥…さんとは、どんな……」 「ああ。婚約者よ」 菫さんは、また綺麗に微笑んで答えた。