私は男に蹴りを入れた。 左腕を庇いながらだったから、本気の力は出せなかったけど、男にはトドメの一撃となったようでその場に倒れこんだ。 「あーもう…」 最悪だ。 腕、痛いんですけど? 「………大丈夫か?」 「…え」 「腕…大丈夫か?」 腕をさすっていると、生嶋が私に近づいた。 「あ…これくらい大丈夫。冷やしておけば」 笑った私に、生嶋の顔が歪んだ。