遠くにいたとしても分かる。


見間違えるなんてことない。




「か、ずや…?」




そう、視線の先にいたのは和弥だった。


でも…一人ではない。




和弥の横には一人の女の人がいた。




「………っ」





―――『いるよ、すっげぇ好きな奴』




和弥の横で可愛らしく微笑む女の人。


それに対して和弥も笑っていて―――


それは、猫被りじゃない、本当の和弥の笑顔だったんだ。