次の日、教室につくやいなや、私は大勢の女子に囲まれてしまった。
“集団リンチ”
そんな言葉が、ふいに思い浮かんだ。
「村上さん、和弥先輩と付き合ってるってほんと!?」
き、来た…集団リンチ―――
「……うん」
来るなら来い、集団リンチ。
意を決して、私は答えた。
「いいなーっ!村上さんならお似合いだよねーっ」
集団リン――――……ん?
お似合い?今、お似合いって言った?
「ねーねー、どうやって仲良くなったの?」
「え?」
「二人でいる時の先輩ってどんな感じ?」
「えぇ?」
皆の勢いに圧されていると、人だかりの後ろから救いの声が聞こえた。