いつの間にか廊下にも人だかりができていて、その中をかき分けるように和弥は進んでいく。


より強く握られた手を見ながら、私は自然と笑っていた。




「取り返しのつかねぇことしたけど、大丈夫だったか?」


「うん」


「ま、文句言う奴いたら言えよな。それと、男に話しかけられてもシカトしろな」


「…うん?」


「って言っても分かんねぇよな。…とりあえず、俺の側にいればそれでいいよ」




なんかよく分かんなかったけど、上手く言いくるめられて、私はとりあえず頷いた。