「…助かりました」


「ま……大変なのはこれからだろうけどな」


「は?」


「いや、とりあえず村上は気にすんな」




気にするなと言われても、気になるもんは気になる。


和弥も同じようなこと言ってたし。




始業式が終わって教室に戻ると、さっきと同じように私の周りには人だかりができていた。


でも、その中で私に強い視線を送る人物が一人。




「あ、あ、あの…水瀬さん?なんか付いてる?私の顔…」


「………」




なぜか水瀬さんから凝視される私―――


水瀬さん……正直、怖いって。




「凛ちゃん…私、凛ちゃんの顔、見たことあるんだけどさ……」


「え…」


「あの日……清涼祭の日―――」


「っ!」