放課後のチャイムが鳴って、教室からは次々と生徒が減っていく。
私も鞄を手に取って、そそくさと教室をあとにした。
今日、夏帆は用事があるらしく、私はいつもの帰り道をとぼとぼ歩く。
そんな時、ポケットの中で携帯が震えた。
私は画面を確認してから、通話ボタンを押した。
「久しぶりじゃん、亜由美」
『久しぶりー。ごめんね急に』
「いいよ、放課後だし。どうしたの?」
着信の相手は亜由美だった。
亜由美のことが解決して以来、私達は時々連絡をとるようになった。
用件はこうだ。
今度、定期受診のために病院に行くらしくって、近くまで来るから会えないかって。