「ちょちょちょちょっと、あの…和弥…」


「ん?」


「いや、うんじゃなくてさ…。……離しませんか?」




オロオロする私に、和弥はクスリと笑うと、耳元に顔を近付けた。




「…なに、離れたいの?」




初めて聞くような和弥の甘い声に、体温が一気に上昇した。




ゆっくりと体を起こすと、もう一度強く抱きしめられる。


私を包む温もりに目を閉じると、その温もりが離れたのがわかった。


紅潮した私の頬に手を添えて、遠慮がちに唇が重なった。