生嶋の言葉に、いつかのようにボッと顔が赤くなった。
そんな私の反応を見た生嶋は、すごく優しい表情だった。
「良かったな、村上」
「………」
「村上の照れるとこ、久々に見た」
「…殴るぞ、ばか」
あの日、和弥と向き合うことが出来たのは、生嶋のおかげなわけで。
つまり、生嶋はこの噂の真相を知ってるわけで。
だから、生嶋と話すのはなんだかすごく恥ずかしい。
「で?先輩は認めてんの?」
淡々とした表情で、皆を見渡しながら生嶋が口を開いた。
「あー…、なんか隠れてるらしい」
「ふはっ!なんか先輩ってさ、何つーか…、イメージとけっこう違うよな」
「……うん。それ、何となく分かる」
初めの頃はただの愛想のいい、猫被り男だと思っていたのに。
仲間内だけに見せる笑顔とか、強気で俺様なとことか、優しいとことか。
関われば関わるほどに、色んな和弥が見えてきて―――。