私の返事に電話口から「だよね~」といつもの聖剛さんの口調が聞こえた。
何…?聖剛さんはこの騒がしさの原因を知ってるってこと?
「あの――」
『噂になってるみたい』
「………え」
『“和弥に彼女ができた”って』
「っ!?」
聖剛さんの言葉に、考えが停止した。
噂になってる?
和弥に彼女ができたって…?
とりあえず携帯を耳に当てたまま、私はクラスの子達の話題に耳を澄ませた。
―――「まじだって!海に行った後輩が見たんだって!」
―――「聞いた!?和弥先輩、彼女いるらしいよ!」
「………」
『ね?噂になってるでしょ』
「………」
『おーい、凛ちゃん?』