生嶋と水瀬さんなら何か知ってるも……と、教室を見渡しても二人の姿は見当たらない。


私は諦めて、机に頬杖をついた。


その時、私の携帯がポケットの中で振るえた。




「…っ!?」




ディスプレイに表示された名前に、一瞬目を見開いた。


『和泉聖剛』


聖剛さんとは番号を交換していたけど、実際に電話をしたことはなかった。


このタイミングで、一体何…?


聖剛さんも学校にいるだろうに。


なかなか諦めない着信に、私は声を潜めて電話に出た。




「…聖剛さん?」


『うん、俺。……早速本題なんだけど、凛ちゃん…学校にいる?』


「は、はい」


『そっか…。……なんか騒がしいと思わない?』


「思います…」