いつも思うけど、楽しい時間はどうしてこんなにも過ぎるのが早いんだろう。
砂浜で走り回って、海でも暴れて。
あれから和弥も砂埋めのターゲットになって、超ご機嫌の聖剛さんが楽しそうにその光景を眺めていた。
日も暮れてきた頃、いつの間にか準備されていたバーベキューセット。
海沿いにリゾートホテルが建っていて、聖剛さんがそのホテルから借りたんだと。
普通、高校生にそんなことできるわけないけど、どうやらホテルのオーナーと聖剛さんは知り合いらしい。
「よーし、食うぞー!食ったあとは花火だー!」
いつもフラフラしてる聖剛さんだけど、何気にみんなを仕切ってまとめてるんだよね。
さすがは夜龍の元副だわ。
「凛、これ食え」
「ありがとう」
和弥から皿を受け取って、私も食べ始める。
私達はただのOBなのに、現役君が働いてくれて、食べ物も飲み物も何不自由なくバーベキューを楽しむことができた。