みんなが海に行くのを見ながら、ふと思った。
「あれ、和弥がいない…?」
みんなの中に、和弥の姿がない。
あ、もしかしてもう先に行ったのか。
何気に和弥も楽しみにしてたみたいだし。
その場から進もうとした時だった。
「一人で行くな、ばか」
そう聞こえたのと同時に、後ろから手が伸びてきて、私はすんなりと捕らえられてしまった。
振り返らなくても、それが和弥だと分かった。
「ちょっと!離して…っ、よ……!…なぁ!!!」
この前のことがあるから、からかわれる前に離れようと、振り返りながら抵抗したけど、
「な、は…は、は…!」
途中で固まってしまった。