ずっと夏帆に話さないとって思ってたけど、なんか怖くて今まで話せなかった。
話しても話さなくても、事実は変えられないけど。
夏帆に話して、少し心の荷が下りた気がした。
教室に着くと、何やら騒がしくって、人だかりができていた。
あの席って確か―――
「で!?誰だよ、あの時一緒にいた子!」
「超可愛かったよな!?」
「お前、いつの間に女作ったんだよ!?」
あ、やっぱり生嶋だ。
生嶋は質問攻めにあっていて、私が教室に入ってきたことには気づいていないみたいだった。
どうやら、祭の時にクラスの人に見られていたらしい。
「誰だよ!?この学校か?」
―――一緒にいたの私ですけど。
「もしかして一年か?」
―――いや、同じクラスですが…。