「凜ちゃんっ。お昼食べよーっ!」 「え?あ、うん…」 昼休みの教室。 お弁当箱を手に、私の隣の席に女の子が座った。 水瀬優花(ミナセユウカ)、このクラスの学級委員だ。 目立ちたがりでもなく、地味でもない―― 明るくて、気さくな彼女は、とても話しやすい。 なんで彼女が私なんかの相手をするんだろう……と、このクラスで二週間経った今でも思う。 私は、高校二年生になった。