私、滝本蓮華(タキモトレンカ)は出会った時からアイツが大嫌いだった。
笹本海斗(ササハラカイト)。
隣の家に引っ越してきたクラスメイト。
本人いわく、私とは小学生の時からの知り合いで小4の時引っ越してまた、戻ってきたらしい・・・
ま、私に覚えてる?とか聞いても無駄だけど・・・
だって私は小5より前の記憶がないから。
理由は簡単。
小4の冬に交通事故にあったからだ。
両親は即死。
生き残った私も記憶喪失だった。
中3までは祖父母が家に住んでたけど高校入学を機に田舎に帰ってもらい、今は滅多に帰ってこない兄・滝本響(タキモトヒビキ)と2人暮らし。
そんな折にアイツが帰ってきた。
そして、いとも簡単に私の心を奪っていった。
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「蓮華!おい、蓮華!」
「んん~・・・。なにぉ~」
人がせっかく寝てるのに・・・
「蓮華!いい加減に起きないと遅刻するぞ?」
ち・・・こく?
ガバッ
「い、今何時!?」
「8時15分」
8時15分!?
やばい!遅刻する!!
私が急いで起き上がり顔を洗おうと部屋を出ようとしたら突然、後ろから首根っこを掴まれた。
「うわぁ!・・・ちょ、海斗!?」
「起こしてやったのにお礼のひとつも無しか?」
「・・・・ありがとーごぜーやすー」
「うん。よし、早く支度しろ!」
やっと首が解放され私は急いで支度をした。
もー!!
なんなのよアイツ!
なーにーが、『起こしてやった』よ!
どんだけ俺様なのよ!
・・・はぁ・・・
どうして私はあんな俺様を好きになったのだろう・・・