桜が満開に咲き誇り、桃色の道ができている。
空は快晴、雲一つない青空が広がっていた。
これ以上ない最高の天気が、まるで新学期を祝っているようで
憂鬱な気持ちだった俺は、苛ついた。
なんとなく空を見上げながら歩いていると
ふいに背中を叩かれ…いや、殴られた。
「うぉ!?」
思わず咽て後ろを振り返ると、そこには上機嫌で笑う友人が居た。
「はよ、翔!いい天気だよなー…」
「ん?あぁ…はよ、陸」
やんわりと微笑んで、挨拶を返す。
陸とは小学校からの付き合いで、今までずっと一緒に居た。
クラスも離れたことがなく、今回の新学期恒例クラス替えでも
どうせ一緒になるだろう。
そう信じて疑わなかった。

…が、その予想はあっさりと打ち砕かれた。