【翔side】
煩く鳴り響く耳障りなベルの音を、乱暴に手で叩いて止める。
また、朝。起きる時間だ。
憂鬱な気持ちのまま起き上がり、大きく伸びをする。
俺は朝がー一番眩しい時間帯がー大嫌いだ。
ずっと夜に居たいと願ってもそれは無理な話で、心とは裏腹に照りつける太陽を睨み付けた。
「行くか…」
今日は新学期。何時ものように遅刻するわけにはいかない。
重たい体を無理矢理引きずり、手早く着替えを済ませ家を出た。