先輩に勉強を教えるようになってからけっこう経ち、もうクリスマスの時期。

先輩たちは受験生だからテストが多くて、前までやる気がなかったらしい先輩がすごい楽しみにしていると長野先輩が言っていた。

「見ろ、樋浦!!俺、この間の実力試験学年で5位だぞ!」

個評を私に見せてきた。満面の笑みで。
そして勢いでだろうか、先輩は私を抱き締めて言った。

「樋浦、ありがとな!俺、1年経ったらちゃんと樋浦のこと迎えにくるからな!」

そ、んな…プロポーズみたいなことを…。
こここここんな教室のど真ん中で!!

とりあえず私は先輩から離れた。そうするとクラスのみんなが冷やかした。