「なぁなぁ聞いたか?樋浦に友達ができたんだとよ!」
陵が言った。
「あぁ?んな訳ねぇだろ。アイツいじめられてんだぞ?」
あり得ないだろ、というように俺は鼻で笑いながら雑誌を捲る。
「ほんとだって!ほら!!」
窓の外を指指した。なんだ?樋浦がいるのか??
覗いてみると、樋浦ともう一人女がいる。
…隣の女…見たことあるな。
「俺、ちょっと行ってくる。なんか胸騒ぎするわ」
「えっ、ちょっと!翔?」
鞄を持って走った。
あの女、確かヤクザと絡んでるとかで有名だったような…。
とにかく俺はアイツを追った。