『それだけ?』

「それだけ」


そう
たったのそれだけ


もしかしておちょくられてるだけなのだろうか

いや、絶対におちょくられてる


清水君に翻弄されてる私を見るのが楽しいのだろう



「だって昨日だってね、別れ際に須藤君に見られないところでおでこにちゅーされたし…」


しゅんとしながら花子に話すと

時が止まったように硬直して私を見ていた



『え…今までの話の中で一番重要なんだけど、そこ』


「私絶対清水君に遊ばれてるんだよ」



『…絶句』

花子は頭を抱えて遠い目をした



それからも幾度となく清水君に呼ばれることがあった

それはお昼休みだったり

朝のHRまでの時間だったり

時には授業の合間の10分休みに来る事だってあった


大抵須藤君が隣にいて

清水君は自分から私を呼んだくせに話す事は無い

だから必然的に私と須藤君が話すか、二人の会話を聞くだけになってしまう



だから
今日のお昼休みは異質だった




『どうして人は、いつか死ぬんだろうね…』

「いつにも増して意味不明ですね」


『真面目に聞いてるんだから真面目に答えてよ』



清水君と二人っきりとか

あの告白の日以来なびっくりがあの日の第二理科室で行われているんだから