あの
泣いてもいいですか
「振られました」
私がそう報告すると
花子(カコ)はコンビニで買ったらしきまあるいカップのコーヒー飲料にさしてたストローをがじっとかんだ
『なんで!?』
「いや、なんでと言われましても…」
『あんなに2人でいるときは近寄るなオーラ出してるくせに…』
「花子の気のせいだったんじゃないかなー」
頼むから花子さん
追い討ちをかけないで
ほっとくと地球の中心まで沈み込んでドロドロに溶けてしまいそうな私の頭を
ポンポンと撫でてくれることには感謝をするが
「私、これから清水君にどうやって接しろって言うのよ…」
どん底の私はそれくらいでは復活しない
『うーん、けしかけた私も悪かったと思うけど
ずっとこのままの関係よりかは良かったんじゃないかな?』
私の告白した清水君は
一言で言えば、“知らないうちに女の子の心を掴んでしまう”ような男の子である
ミステリアスなオーラにひねくれた物言い
けれどもその口から時々出ると言われる優しい言葉にほだされる
つまり『不良が子猫助けているのを見ていい人なんだと思うパターン』のようなものである
「だって「付き合ってください」って言ったら
なんていわれたと思う?」
普段から自分の感情を言葉に出すのがへたくそな私が
なけなしの勇気を振り絞って出した言葉だったのに