【蓮:side】

今日から 高1か。
俺は 草の上で ゆっくり流れる雲を眺めていた。
青い空、鳥の声、草の匂い…
一番ここが落ち着く…。
「ん、もうこんな時間か…そろそろ行くか」
俺は そばに止めてあった自転車で学校に向かった。
すると
ドンッ…
「いったーい…すいません。」
「大丈夫か?」
なんだこいつ…
この 制服…うちの学校か。
「お前うちの学校?」
「えっ…たぶん…」
「へぇ楽しみだな。」
こいつ 結構 顔はいいからな。
回りの男子がどう騒ぐか…楽しみだ。
まっ 俺はどーでもいいけど。

やっべー 完璧遅刻。
俺は机に顔をふせ クラスメートの自己紹介なんて完全無視。
「桜ヶ丘中から来ました。南綾夏です。よろしくお願いします!!」
次…俺か
「櫻田蓮よろしく。」

学校が終わり、机を立とうとしたとき
「あの。さっきは…どうも。」
えっと 名前なんだっけ。
「あぁ…別に。」
「櫻田…蓮くんだったっけ…?」
だから なんだよ。
「で、なに」
「いや…あの。えっ…と」
「用がねぇなら帰る。」
「わっ…私の名前は南綾夏です!あの。覚えて…ください」
はぁ…そーゆーのいらねぇ…
「そーゆーのダリィから」
「ちょっ…ちょっと!」

で、なんでこいつは後ろからついてきてんだ…。
「あのさぁ…なんでついてくんだよ」
「そっ…そんな言い方しなくたって…」
なんだよ 意味わかんねぇし
「うぜぇから着いてくんじゃねぇよ!!」
「はぁ!?顔はいいくせに、優しくないんだね」
こいつ…喧嘩うってんのか
「お前…喧嘩うってんの?」
「意味わかんない」
「それ こっちのセリフ」
「まあ これからよろしくね!!」
どんだけ ポジティブなんだよ…
つか 初めて会ったときと全く性格違うし。

この出逢いが 俺の人生を大きく狂わせた。