星砂～ｲﾂﾏﾃﾞﾓｷﾐﾄｲｯｼｮ～

帰り道の事だった。私は、偶然葵弘樹と同じ帰り道だった。『矢吹知っている？』
『矢吹……？あっ！中学２年の!?…それが、何…ー。』

葵弘樹は、こう口ずさんだ…ー。一瞬、風が吹いた。胸に、突き刺すように…ー。髪の毛が、揺れた…ー。

『矢吹…お前の事、好きみたいだぜ。本気ぽかった…。』
『えっ!?本気だったの!?嘘だぁ～…。って、本当に…ー？』『………。』

葵弘樹は、何も言わなかった…。本当なんだ。私は、そう確信した…ー。無言が続き、長い沈黙が続いた。

『ねぇ……弘樹…その答え、NOだから♪言っといてね？』
『うん……。お前って、好きな人っているの？？』
『!!!? いないよ？いないからね……！本当だよっ!!』

告白なんて、分からない。そして、知らない…ー。恋愛なんて、無いと思っていた…ー。だけど、私にもあったんだって事を知った。